葉は薄いが硬くてつやがあり

茎は地下を横に這う地下茎の形をとる。

葉は薄いが硬くてつやがあり、深緑色。楕円形で長さが50cmを越える。密な群落を作るので、地面からこの様な大柄な葉が立ち並ぶような風景となる。日陰で手入れをしないでもよく育つ。

花は紫色で多肉質。sex 3-4月ごろ地下茎から出て地面すれすれに咲く。ちょうど花が地面にめり込んだような格好である。花被片は8つに分かれる。

果実は地表に乗っているような姿になり、翌年の夏場にあたりに種子をばらけさせる。

分布・生育地
中国南部原産であると言われてきたが、中国での野生は見つかっておらず、鹿児島大学の迫静男らにより九州南部の宇治群島、黒島、諏訪之瀬島が本来の野生地であるという報告がなされている[3][4]。

花粉媒介
この植物の花は地上すれすれに咲くことから、カタツムリやナメクジにより花粉が媒介されて授粉されるとの仮説を提唱した植物学者がいたが、1995年に日本の加藤真がヨコエビ類のニホンオカトビムシがこの種の花粉を媒介することを示した[5]。その後、加藤の教え子である末次健司により、主たる送粉者はキノコバエ類であるとの見解が示された[6]。

ハランの園芸品種
園芸品種として、

・斑入りハラン (縦縞の斑が入る個体で、管理が悪いと先祖返りする。)

・星斑ハラン (葉全体に黄色い点々の星斑が入る個体で余り変質しない。)

・‘天の川’ (これは矮性個体で、星斑が入り、同時に縞斑も入る3芸品である。) 

・‘旭’ (これは新芽が吹く頃は葉の先端から半分まで真っ白で、後に葉の先端に白く斑が残る園芸個体である) 

・‘一品蘭’ (普通の緑葉の中筋が白く一筋に斑入りになる個体)


※なお、世間で造園利用されている個体で、‘天の川’ として広まっている物の、殆どは誤りで、ルリダハラン ‘銀河’ で有る場合が殆どである。ルリダハランは7月頃に咲くので花で区別出来る。

国内に渡来している近縁種
ルリダハラン(Aspidistra lurida Ker-Gawl., 1822)

中国名: 九龙盘

花が7月あたりに開花し、星斑入りの個体  ‘銀河’ (‘Ginga’) が造園界では、名無しの状態で利用されているか、もしくはこれを誤って ハラン ‘天の川’ として造園界で呼ばれる。本来は  ‘銀河’ が正しい園芸品種名である。これは開花しないハランと言われているが、そもそも、種が異なるので、早春には開花しない、7月頃の開花であるので確認されていないだけである。国内では造園用に半日陰の庭園の仕切り等に植栽される。なお、本物の ‘天の川’ はハラン( Aspidistra elatior Blume, 1834) の園芸品種である。


ムシャハラン(Aspidistra mushaensis Hayata, 1920)

中国名: 雾社蜘蛛抱蛋

切り花用に切葉が流通しており、星斑入りの葉が綺麗な個体で  ‘高性天の川’ ( ‘Kōsei-Amanogawa’ ) が園芸品種として有名である。ただし、世間では ハラン (Aspidistra elatior エラチオール)の園芸品種と誤認されている。開花は日本では5月のゴールデンウィークあたりに地面すれすれに7cm程の赤紫の大きな花を沢山付ける。台灣原産の固有種であるが、台灣からの渡来は大正年間である。ルリダハラン ‘銀河’ が誤認され、ハラン ‘天の川’ と間違って広まりルリダハラン ‘銀河’ は小型である。それに対して、ムシャハラン  ‘高性天の川’ は大型なので、 ‘銀河’ の誤名である ‘天の川’ の大型と言う意味から名付けられたのが  ‘高性天の川’ と言う理由である。世間では開花しないハランと言われていたが、そもそも種がことなるので開花期が異なって見たことが無くても不思議では無い。これとほぼ同じ星斑入り個体が、米国で、 ‘スポッティー・ドッティー’ (‘Spotty Dotty’) と言う個体名で広がっている。



アリサンバラン (Aspidistra attenuata Hayata, 1912)

中国名: 薄叶蜘蛛抱蛋

台灣から、大正年間導入されたハランの仲間で、秋に開花をする。花には個体差があり、白っぽい個体から、濃い茶紅まで個体差が存在する。米国では花が観賞用とされている。米国では花を観賞する為に、4~5品種を選抜され、流通している。


ダイブハラン (Aspidistra daibuensis Hayata, 1920)

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